事業計画の妥当性を検証する（前編）【経営計画】
前回までの記事で、会社の利益・個人事業主の収入を大きく伸ばす方法としての計画づくりについて解説してきました。
もしまだ上記の記事を確認されていない方は、先にそちらの記事を確認いただき、
「利益を大きく伸ばす戦略づくり」のファーストステップについて知っていただきたいです。
目次
作った計画（目標）を検証していく
今回のテーマは目標の妥当性の検証です。
私達の作る計画とは、利益を今より大きく伸ばすことが目的です。
そのため、「今の成り行きでやっていれば、こういう状態になるだろう」という予測の計画ではありません。目指すべきストレッチ目標への到達方法、その道筋を作ります。
「頑張らないと実現できない、でも頑張れば実現できる」
その状態が理想の計画です。
目標を作ったあとは、非現実的な目標（構造的に実現可能性が低い）になっていないかを検証していきます。
検証の重要性
検証はとても大切です。中期経営計画は「売上計画」が主軸になります。
5年後の目標が低ければ、1年後・2年後の成果も低くなってしまいます。
逆に、実現不可能な目標になっていると努力しても辛いだけになってしまいます。
『精一杯、背伸びしたら実現できそう！』『頑張らないと実現できないけど、頑張れば実現できる。』という目標になっているかどうかを検証していきます
そのため
- 『もっと目標を伸ばせないか？』
- 『本当に実現可能か？』
という検証をします。
これから検証のコツを8つお伝えします。
検証のコツ① 年間売上を分解してみる
1ヶ月で考えると、売上はいくら・何件・平均単価はいくら
計画が5年後に年間売上が1,000万円だとしたら月の売上は83万円です。
例えば
- 1件 平均20万円の案件なら月に4本
- 1件平均40万円の案件なら月2本
という状況です。
😳『月に4本の案件は無理だ』と感じたら5年間で単価を上げていく、
という戦略が必要になります
🤔『40万円の案件月2本なら3年後には実現できそうだな』
と感じたら目標を引き上げても良いでしょう。
1日で考えると、売上はいくら・何件・平均単価はいくら
次は一日で考えてみます。これは一ヶ月単位で考えたほうが分かりやすい業種か、一日あたりで考えたほうが分かりやすい業種か、自分自身の状況によって使い分けをしてください。
計画が5年後に年間売上が1,000万円、月の売上は83万円だとしたら、1日の売上は4万円（83÷20日）です。
例えば事業がカフェで1人あたり売上が平均600円だとしたら1日に必要なお客さんは67人です。
- 67人のお客さんを集客できますか？
- ランチタイムにお客が集中したとして、お店に入りますか？商品提供は間に合いますか？
😳『そんなの無理だ！』と思ったら、お客1人あたりの単価を上げる工夫や数をこなせる工夫はできるでしょうか？
お店のキャパシティが上限になってしまうのであれば
- 2店舗目の開業
- テイクアウトやEC販売
のようなお店のキャパを突破する方法が必要かもしれません
😥『新店舗、人の雇用、などやってみたら売上は上がるかもしれないけど不安…』
というなら、増やしてシュミレーションしてみればいいだけです
- 人を増やして売上が伸びる
- その代わり、経費が増える（人件費計画や経費計画のパート）
全体で利益は伸びるかどうかの検証です💹
そのための中期経営計画ですね。
検証のコツ② 現在の理論上最大値の売上は？
売上の最大値を考えてみます。
いま『ここが限界値！』と思っている売上は、なぜ限界値なのでしょうか。
自分が限界だと思いこんでいるだけかもしれません。
自分自身に無茶な質問を投げかけてみると思考の蓋が外れやすいです。
🙋♀️『年間、50件はいけます？』
🤔『いやそれは無理だよ。今まで年間5件だったのだから』
🙋♀️『では年間20件にするには、どうしたらいいですか？』
🤔『確かに、どうすれば20件こなせるのだろうか』
本当に物理的に「それ以上は上げられない」ということもあります。
例えば製造業のタイルメーカーさんを例にしてイメージします。
- 陶器を焼く窯の容量が決まっている
- 最大値である、2億円分の商品を焼いていたらもうそれ以上は作れない
このケースでは「数は限界」なのでそこから売上を上げるには単価を上げるしかありません。
検証のコツ③ 売上を伸ばすとしたら、単価？数？それとも？
数をこれ以上増やせないとしたら単価はあげられませんか？
単価を上げることが無理だと思っている方は多いです。
❌『単価を上げるのは無理！他と競争があるから』
🙋♀️『本当に無理ですか？例えば、こんな付加価値を付けたら高く売れませんか？』
🙋♀️『全く同じサービスなら、時短化で件数を増やせませんか？』
- 本当に無理なら、ずっとこれでよいのでしょうか
- 他の人・会社はどうしているのでしょうか
- 人と協力すれば増やせるものなのでしょうか
どうやったら増やせるのか、その根拠を明らかにします。
売上計画の検証はとても重要なので、次回の記事（後編）でも検証のコツを解説します。
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